2006年04月 :: Project M Annex
作家の文体が人それぞれ全然違うように、話し方も人それぞれ異なっていてよいし、異なって当然なのです。人は他人にはなれません。「文は人なり」の伝で言えば、「話は人なり」です。特定のスタイルを求めたり押しつけたりしない方がよいので、これはどんなことにでも言えます。
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とはいえ、学校でも社会でも、話し上手は有利ですし、演習や就職活動でちゃんと話ができないと点数に関わりますし、何よりも人から見られているイメージが気になり、そうしたことすべてが悩みの種になることも事実です。話し上手になるのは、一つの理想です。私も話し下手なので、気持ちはよく分かります。
初めは、話す前に、簡単でもよいので、話す内容を書いてみましょう。私の場合、初仕事の時から講義のノートは全部ワープロで一字一句事前に入力し、冗談や脱線まで書き込んだこともあります。話し下手だということに、ものすごい危機感をもっていたので、意識的にこれに取り組みました。
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言うまでもなく、話し言葉と書き言葉は違うので、文章語を読むようなことに極力ならないように留意して、しかし、台本がそろっていると芝居はやりやすいものです。これを、10年くらいは続けましたね。書くことで頭に入りますし、内容を事前に精査することもできます。また、私の場合は、その副産物として、講義の内容を論文化するのも容易でした。
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すると、「先生は講義の際にノートを見ていて顔を上げない」と言われました。申しわけありません、でもこちらも必死です! ノートがなければ講義ができないような状況が続きました。でも、……今はかなり平気です。むしろ、学生と一緒に使うスライドやテキスト資料をちゃんと作れば、ノートはなくても大丈夫になりました。
あなたも、スピーチや面接の際、初めはぜひ、どんなことを話すのか書いてみてください。さすがに面接では原稿を読むことはできないでしょうから、あらかじめ何度も予行演習をして、書いたことを頭に入れてください。書いてみると言葉になる、というのは、やはり基本中の基本と思われます。
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