2012年4月18日水曜日

カテゴリー別アーカイブ : オリンピック一般 | オリンピックの未来


2011年07月08日

オリンピックでスポーツ参加推進

一昨日(6日)、2018年冬季オリンピックの開催地が韓国の平昌(ピョンチャン)に決定しました。 3回目の挑戦でようやく招致を実現した平昌、今回はアヌシー(フランス)やミュンヘン(ドイツ)を抑えての圧勝でした。  平昌の招致プランのアドバンテージは3つ、国内支援の高さ、コンパクトな運営、若者のスポーツ参加促進です。政府の支援はもとより、国民の支持率が非常に高かったことと、会場間の移動時間が短いことが評価されました。また、近年、IOCが力を入れている若者のスポーツ参加促進にフォーカスしていることもポイントになったようです。  ライフスタイルの変化などで若者のスポーツ離れが各国で加速しているなか、子供の運動不足や肥満が社会問題にもなっていることから、オリンピック運動を通じて若者のスポーツ参加が推進されるようになりました。  数年前から、IOCはFacebookやTwitterといったSNS(ソーシャルネットワークサービス)を積極的に使うようになりましたが、これも、若者が使っているメディアを活用してスポーツの魅力を直接伝え、スポーツに興味・関心を持ってもらうためです。  来年のロンドン大会でも、オリンピック開催を通して若者のスポーツ参加を推進していくことが重要視されています。ロンドン大会は、スポーツ参加に関して公にテストされる、おそらく最初の大会だと思います。  近代オリンピックはスポーツを通じた青少年の育成という教育的な目的をもってスタートしたので、スポーツ参加促進という最近の傾向は、ある意味、原点に戻ったとも言えるでしょう。  どうしたら一般の人のスポーツ参加を増やせるのか。 現在、私はこのテーマで研究をしているところです(仕事をしながらの研究なので、テーマに反してスポーツする時間がなかなかとれないジレンマにいますが)。  投稿内容に便乗して、お知らせです。 このたび、マラソン小説を出版しました。 タイトルは「空が微笑むまで」(文芸社発行)です。 スポーツに縁のなかった普通の女性が運動を始め、マラソンに挑戦するというストーリーです。良かったら読んでみてください。

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2011年01月10日

ラジオ時代のスポーツ中継(1936年ベルリン大会)

一昨日言及した「前畑ガンバレ」の実況放送と記録映画の映像を見つけたので紹介します。(リンクを貼っていないため、ブラウザのアドレスにコピペしてください)  ・実況中継のレコード盤   ・記録映画「オリンピア」   1936年のベルリンオリンピックは、ヒットラーの時代で政治色の強い大会でした。当時は国によっては人種差別もあった時代でしたが、ベルリン大会では政治や差別を超えた交流と感動があり、今でも語りつがれる大会の一つとなっています。  ベルリン大会に興味のある方は、沢木耕太郎さんの著作「オリンピア」もオススメです。 私はこの本を数年前に読んで、レニ・リーフェンシュタールの記録映画「オリンピア」の映像が見たくなり、DVDがあったらいいのにと思っていたところ、一時帰国したときにたまたま入った駅前の小さな本屋さんで「民族の祭典」「美の祭典」の2巻とも入手できて感激したことがあります。(日本ではどこにでもあるくらいポピュラーだったのでしょうか?)

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トップsceret軍事基地
2010年09月25日

シドニーオリンピック10周年とそのレガシー

先週水曜日、シドニーオリンピックパークでシドニーオリンピック10周年を祝うイベントが開催されました。 イアン・ソープ氏、グラント・ハケット氏、キャシー・フリーマンさんといったシドニー大会のスター選手や、開会式の主役だったニッキー・ウェブスターさんなどが招かれ、当時ボランティアだった人たちはユニフォームを着て祝ったようです。  ボランティアの方たちは、シドニーオリンピックが終わったあとも有志の人たちでグループを作り、4か月に1回ランチを共にしているとか。そして、ワールドカップサッカーの招致を楽しみにし、そこで再びボランティアとして働きたいと思っているそうです。 10年たってもボランティアの絆が続き、オリンピックでのボランティア体験が他のスポーツイベントへの支援にもつながっているわけです。これも一つのレガシーといえるかもしれません。  先週金曜日、シドニーオリンピック関係者によるフォーラムがあり、参加させていただきました。シドニーオリンピックのレガシーがテーマで、シドニー大会の強みと弱みの分析やオリンピックパークの活用などについて、話を伺いました。  シドニーオリンピック会場はオリンピックのために新規に建設され、広大な面積を持ち、大会後どう活用していくのかが議論の的になっていたのは私も知っていました。 オリンピックの後は、スポーツのみならずさまざまな用途に使われ、そのフォーラムでいただいた資料によれば、来場者は年々増えて2009年の年間来場者は910万人だったそうです。開発は現在も進められており、今後は住居も建設され、生活者に合わせたサービス施設もできるようです。  シドニーオリンピックパークには、私も数え切れないほど行きました。各競技場の観光ツアーからスポーツ観戦、パークでのマラソン大会参加、スポーツイベントのボランティア、スポーツ以外のイベント(フェスティバルや展覧会)、パーク内のその他のアクティビティ(ウォーキングコース、ウォータースライダー、セグウェーなど)、さまざま楽しませていただきました。  さて、シドニー大会といえば、高橋尚子さんの金メダルが印象的です。当時のマラソンコースを示すブルーのラインもところどころ薄くなりながらも残っています。ランニング関係の知人にこのブルーのラインを見せると感動してもらえます。水泳関係の知人にはもちろんオリンピックパークの水泳競技場。数々の有名選手が泳いだ場所、あの赤道ギニアのムサンバニ選手が有名になった場所ですが、レジャー施設が併用されているので家族連れでいつも賑わっています。  10年前の今頃、シドニーオリンピックの混雑を避けて日本に旅行に来ていた豪州人を、ウィンタースポーツミュージアムに連れて行ってジャンプのバーチャル体験などしてもらったりしました。 ウィンタースポーツには縁のない人たちだったので結構喜んでもらいましたが、当時のステレオタイプ的な見方は今や通用せず、その後、オーストラリアでは日本へのスキー旅行がブームになり、日本のスキー場エリアの不動産に投資するようになり、オーストラリアが冬季大会で金メダルをとる時代になり、10年の流れを感じたりもします。  10年前、皆さんはどんなふうに過ごしていましたか? 

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2010年09月13日

ユースオリンピックの開催概要

第1回大会でもあるので、今回のユースオリンピックの概要をざっと調べてみました。  名称:Singapore 2010 Youth Olympic Games (YOG) 開催期間:2010年8月14~26日 参加選手:3531人 参加選手の年齢:14~18歳 参加NOC(国内オリンピック委員会):204 競技数:26競技201種目  開催経緯: ・2007年7月、IOC総会(グアテマラシティで開催)にてユースオリンピックの開催決定 ・2007年8月、9都市が招致を表明(candidature files提出) ・2007年11月、5都市に絞り込まれる ・2007年12月、ビデオ・カンファレンスによるプレゼンテーション ・2008年1月、2都市(シンガポールとモスクワ)に絞られる ・2008年2月21日、IOC委員(105人)の投票でシンガポールに決定(シンガポール53票、モスクワ44票) ・モスクワも評価高かったが、2014年のソチ冬季大会が決定したことにより、シンガポールが優位に ・2005年にシンガポールで開催された第117回IOCセッション(7月2~9日開催)で、海外メディアから高印象を受けたことも影響か ・招致予算はシンガポールが9都市中もっとも低かった  特徴: ・競技大会よりもオリンピックバリューに基づく教育を強調 ・基本的に競技会場は既存のものを使用、新規に建設しない(シンガポールの計画で選手村と乗馬会場の建設が盛り込まれていたことをIOCは懸念したが、予算・開催後の利用計画から実現可能と判断) ・開催都市選出後の開催準備期間が短いこともあり、中国とイギリスが準備を支援 

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キングスマウンテンの戦いが起こった場所
2010年09月05日

カジュアルなユースオリンピック

シンガポールで開催されていた第1回ユースオリンピック(Youth Olympic Games)が先日閉幕しました。しばらく情報をチェックできず、見られないと思っていたのですが、8月下旬にたまたまテレビをつけたらFoxtelで放送していました。期間限定専用チャンネルで、毎日、競技のダイジェストやインタビュー、街の紹介をしていて、最後の数日間だけ見ることができました。(日本では放送されていたのでしょうか?)  番組中、IOCのロゲ会長のインタビューがあり、オリンピズムの話を聞いてたら、久しぶりにブログを更新しようという気持ちになりました(しばらく更新を休んでごめんなさい!>アクセスしてくださった方々)。 ユースオリンピックやオリンピズムについて、質問に答える形でシンプルに語る短いインタビューだったのですが、大写し画面で直接語りかけられると響くものがあります。 また、競技ダイジェストの番組中でも、カジュアルな服装で競技観戦したり若い選手と話しているロゲ会長の姿が何度か映り、身近な存在に感じられました。  テレビを通してみたユースオリンピックは全体的にカジュアルな雰囲気。選手も応援する家族も楽しんでいる感じ。そんな印象を持ったのは番組構成のせいかもしれませんが。 3人制の屋外バスケットボールや大陸別(国別でなく)の柔道団体戦など、目新しい競技・種目もありました。  ユースオリンピックはロゲ会長が実現したかったイベントでした。その前身ともいえるイベントがヨーロッパやオーストラリアにあり、ヨーロッパではEuropean Youth Olympic Festivalという名前で1991年から、オーストラリアではAustralian Youth Olympic Festivalという名前でシドニー大会後の2001年から開催されていました。ヨーロッパバージョンを立ち上げたのが、まさにロゲ氏。青少年にオリンピズムを広めたいと考えていらっしゃったようです。  私はオーストラリアの2007年大会をボランティアでお手伝いしましたが、そのときもカジュアルだなと思った記憶があります。国際イベントながらもローカルの競技会のよう。選手同士の物々交換や言葉・応援コールの真似など。これも国際交流のうちかと。日本選手はいいものを持っているせいか、いろんな国の選手が近づいてきては交換してほしいと言うので、「このジャージはどうしても交換できないって通訳してください」と選手から頼まれたこともありました。  その半年後の2007年7月、IOCの総会でユースオリンピック開催が採択され、その後シンガポールが第1回大会の開催都市に選ばれました。ユースオリンピックは参加選手が皆若いので、インタビューの場面で通訳を必要とすることも多く、通訳をしている人もボランティアなのか同じくらい若くて一所懸命で、そこがまたカジュアルな印象につながったのかもしれません。  ユースオリンピックは既存の施設を使う(新規に建設しない)ことが原則で、通常のオリンピック大会と比べて予算もだいぶ低く設定されています。オリンピズムの原点に戻ろうとしているかのようなイベント。この試みがどう成長するか見守っていきたいと思います。

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フランス語で何もしないの芸術を言うする方法
2009年11月16日

オリンピック・コングレスに仮想参加

先月、2016年オリンピックの開催都市決定のあと、コペンハーゲンではオリンピックコングレスが開催されました。これは、これからのオリンピック・ムーブメントを考えるための会議です。  コングレスは通常8年ごとに開催され、参加者はIOC委員と国際競技連盟(IF)・国内オリンピック委員会(NOC)の代表者などで構成されていますが、今回初めて一般からの意見参加を募りました。バーチャルコングレスという形で、15のトピックについて世界中からオンラインで投稿を募集し、最終審査で選ばれた20人をコペンハーゲンのコングレスに招待するというものです。  東京招致がかかっていたこともあり、ぜひとも現地の様子を見てみたいという思いで私も2本投稿。そのうちの1本が途中審査を通過してコングレスの報告書に掲載されました。いったい世界からどれくらいの投稿があったか、報告書の中から数字を拾ってご紹介しましょう。  一般の部の投稿数は世界全体で1319件、投稿者数は1148人。投稿者数が一番多かったのはシンガポール(249人)、次いでアメリカ(176人)、そして日本が3番目(129人)でした。シンガポールは、初めてのユースオリンピック開催を控えているので、国内で盛り上げようという機運が強かったのでしょう。  このうち、報告書に掲載された一般の投稿数は99件、投稿者数は91人。内訳の上位はアメリカ9人、シンガポール8人、ブラジル6人で、日本人は首都大学東京の舛本先生と私の2人でした。  報告書は電話帳くらいの厚さがあり、2/3はオリンピックファミリーと呼ばれる関係者の投稿、1/3が一般からの投稿です。オリンピックファミリーの中では、ディック・パウンド氏の投稿数の多さが目立ちました。そうした経験ある人たちの投稿に目を通すことができるなんて、本当にありがたいことです。  オリンピック選手経験も研究者としての肩書きもない一般人な私をこの中の一人に選んでいただけて恐縮しつつも、書きたいことを書いてそれが受け入れられたのは本当に嬉しいです。納税者・消費者の理解を得ることや社会のニーズに言及した内容が果たして受け入れられるだろうかと思いながらの投稿でした。 また、しばらく英文を書けなかった精神状態のなか思い切って投稿したこともあり、9月にスイスから立派な報告書が届いたときは励まされた気分になりました。  ところで、一般の投稿全体の1319件のうち、ラグビーをオリンピック競技にするためととれる投稿が276件あったようです。こうした組織的とも思える行動のあとで正式競技になれるのか、ちょっと心配したのですが、無事に決まりましたね。 

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2009年02月08日

オリンピック選手を取り巻くメディア

この前に書いたマイケル・フェルプス選手のマリファナ疑惑について、米国水泳連盟がフェルプス選手に対し3ヶ月間の出場停止と財政支援停止を発表しました。問題が発生したのが競技大会期間中ではないため、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)のルールには抵触しないものの、数多くのファンや関係者を失望させたとして、フェルプス選手に改めてロールモデルとしての責任を感じてもらうため、このような措置をとることになったようです。2/5から3ヶ月間となりますが、世界選手権ローマ大会の国内予選には影響がないとのこと。  現時点でも、フェルプス選手が実際にマリファナを吸引したのかどうかは明らかになっていません。常用していたのかという質問には「ノー」で、問題となった写真については「軽率な行動」「間違った判断だった」「今後二度とこうしたことは起こらない」と謝罪しています。  これに対する世間の反応は、主要メディアの報道記事(約20本)を見る限り、フェルプス選手支援の側にたっているようです。フェルプス選手が吸引していたと決めつけている記事もなく、いわく、「英国のタブロイド紙にそう見える写真が掲載されたが、記事には吸ったとは書かれておらず、そのパイプがマリファナ吸引に使われるとしか書かれていない」「フェルプス選手は自分の行動に対して率直に謝罪をおこなった」「IOCもFINA(国際水泳連盟)も謝罪を受け入れ、もう十分として今後の信頼回復に期待している」「数多くのファンやスポンサーからフェルプス選手に励ましのメッセージが届いており、フェルプス選手は信頼回復に全力を尽くしたいとしている」など。  スポンサー企業のうち、今月末で契約期間が切れるケロッグ社は更新しないと発表しましたが、メインスポンサーのスピードやオメガは今後も支援を継続するとのこと。また、米国オリンピック委員会は、二度とこのようなことが起きないよう必要な手助けをするとフェルプス選手に手紙を送ったそうです。  こうしたことから、問題となった写真を掲載した英国のタブロイド紙はメディアとしての信頼度が低かったのではとも思えます。そもそも、アメリカのプライベートなパーティーで撮影された写真がなぜ英国の新聞に掲載されるのか疑問。また、タブロイド紙は、いわゆる大衆紙、ゴシップ紙ともいわれているので、オリンピック史に残る世界のヒーローをゴシップから守ってあげたいという気持ちのほうが世間では強いのかもしれません。 フェルプス選手の言動に対する評価は、IOCやFINA、米国オリンピック委員会が答えを出しているといってもいいかもしれません。  タイミングや各社の記事の内容から、フェルプス選手が通信社を通じて公式謝罪をしたことで世界中のメディアが今回の件をとりあげることになったようにとれますが、公式謝罪がなければ英国ローカルのゴシップで終わっていたのか、はたまた、ネットを通じて信憑性のあるグローバルニュースに変わりさらに大きな問題となったのかはわかりません。今回の件では、問題発生と同時に迅速な対応をすることで、問題は大きく表面化したものの、ファンも関係者も支援の姿勢は変わらないというポジティブな結果につながった気がします。  1週間前に写真が掲載されて以来、家族と静かに過ごそうとしているフェルプス選手ですが、問題が表面化したことでパパラッチなど取材攻勢が激しくなり嫌がらせもあって、2012年ロンドン大会への参加をどうするか今後検討するそうです。選手のメディア対応は、まだまだ正解のない難しい問題と思わせられます。 

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2009年02月04日

オリンピック選手に求められること

今週は、マイケル・フェルプス選手がマリファナのパイプをくわえている写真を巡って、世界各国のメディアがその動向を報じています。 問題となった写真が掲載されたのはイギリスのタブロイド新聞「News of the World」紙で、日曜版に掲載されるや、瞬く間に主要メディアにニュースが流れました。2/1の記事で既にフェルプス選手の謝罪が伝えられているので、フェルプス選手の対応も早かったといえるかもしれません。  マイケル・フェルプス選手といえば、北京オリンピックの競泳で前人未到の8冠を達成しオリンピック史に名を刻んだ人物。その功績には7つの世界記録、8つの米国記録とオリンピック記録が含まれます。北京大会で最も注目された選手といえるでしょう。オリンピック後にはスポンサーからの高額なボーナスやさまざまな賞の受賞が話題となりました。今年に入ってからも中国マツダとの欧米人として中国で最高額のスポンサー契約があったり、1週間ほど前には米国オリンピック委員会から2008年の年間最優秀選手賞を受賞。このほか、スポーツイラストレーテッド誌やAP通信社からも年間最優秀選手賞を受賞しています。  それだけに今回の件は大きく取り上げられました。フェルプス選手は写真が本物であることを率直に認め、通信社を通じてファンや関係者に謝罪をおこなうとともに、スポンサーに対しては直接連絡して謝罪したようです。 ただ、実際にマリファナを吸ったのかどうか「News of the World」紙が言及していないこと、写真が撮影されたのがオフ期間中(昨年11月)のプライベートな大学のパーティーだったことから、現在のところ、スポンサー各社とも今後も支援を継続するとコメント。米国オリンピック委員会は、今回の件には遺憾の意を表明しつつも謝罪を受け入れ、フェルプス選手には今回の反省から学んで青少年のロールモデルとなることを期待しています。今後、どのような経緯で写真が撮影されたのか、大学のある地元では調査もおこなわれるようです。  オリンピック選手にはロールモデル(お手本)となることが求められています。これはオリンピックの理念が健全な青少年の育成という教育的な側面を持っているためで、オリンピック選手は子どもたちに夢と感動を与え、目標となるような人物であるべきとされています。勝つことだけがゴールではないというのがオリンピックの本来の姿。 とはいえ、勝利の影には数えきれないほどの努力があり、勝者だからこそお手本になれるのも事実。また、注目される選手は強い選手・メダルを獲得した選手になりがちなので、メダリストほどロールモデルとして求められる期待も大きくなります。  今回の件では、フェルプス選手の注目度や影響力、オリンピックメダリストに対するロールモデルの期待の大きさを改めて感じました。スーパーボールがなければアメリカではもっと大きく報道されていたという専門家もいますが、国際大会に向けてトレーニングを再開したばかりの本人にしてみたら相当の痛手だと思います。これから2012年ロンドン大会に向けて試練が続くかもしれません。 

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2009年01月07日

2009年以降の展望

新年あけましておめでとうございます。 新年の挨拶とともに経済情勢が語られることが多いご時世、金融危機の発端ともいえるリーマン・ブラザーズが経営破たんしたのは昨年9月、北京オリンピック・パラリンピックが終わろうという頃でした。その後の金融市場の混乱や急激な円高・ドル安で多くの企業が影響を受け、その影響がスポーツイベントにも及びました。アメリカ経済が世界に及ぼした影響から、アメリカ企業はどこも不景気と思いきや、ナイキの昨年の売り上げは記録更新。中国を中心とするアジアマーケットでの好成績が貢献しました。とはいえ、中国も例外ではなく年末あたりから景気の失速感が出ているため、今年はどうなるでしょう。  こうした世界情勢の中でスポーツイベントはどうなっていくのか。オリンピックについて言えば、一部地域を除き、2016年以降の放映権交渉は経済情勢を見て先送りとなっているようです。 これまで、アメリカの放送局が高額な放映権料で主導権を握り、競技スケジュールにも影響を与える(アメリカの放送時間に合わせる)ということがありましたが、現在のアメリカ経済やそれに伴う広告費の減少から、特定の放送局による影響はなくなっていくのではないかと思います。もっとも、TOPというスポンサー制度が導入された頃から既に放映権の位置づけは変わってきていましたが。  個人的には、オリンピックは今後、原点回帰に向かうのではないかと思っています。スポーツを通した青少年の育成という教育的な視点、競技者と観客のためのイベント、世界平和と社会に貢献することなど原点に立ち戻り、過剰な部分は除いていく。 オリンピック史のなかで商業化は必要なプロセスでしたが、過剰な商業化・マーケティング・演出については見直しが必要。今後のオリンピック組織委員会では、こうした見直しの動きも既に見られますが、過去の反省以上に現在の経済問題が見直しを加速させるのではないかと。 オリンピック競技大会はどうあるべきか、スポーツは社会に何ができるのか、そんなことをじっくり考える年になりそうです。  例えば、ふだんからスポーツをしている人・定期的な運動をしている人にとっては、それなしの生活は考えられないくらいスポーツは大事。また、スポーツがどれほど身体的・精神的に人を成長させるものかも体感していると思います。昨今のマラソンブームから、そう考える人が日本では増えているのではないでしょうか。 一方、国民が健康であれば、医療費の減少にもつながり、国の財政にとっても良いということに。もちろんスポーツや運動だけでなく、食事や休養も健康には欠かせませんが、日本食がヘルシーなのは世界的に知られてますし、祝祭日の数も他国と比べかなり多いほうです。労働時間は今や韓国のほうが長く、日本では雇用促進のためワークシェアリングを進める必要も出てきています。労働時間短縮で増えた自由時間を何に使うか。投資やお金儲けには慎重になる人が増えるでしょう。となると趣味やスポーツ、勉強、ボランティア活動、社会貢献につながる活動に時間を使う。 つまり、日本が健康先進国・スポーツ先進国になれる条件が揃ってきているということ。新年を迎えるにあたって、こんな楽観的な観測はどうでしょう。  昨年は数年ぶりに日本でお正月を過ごし、2日の箱根駅伝を見ているうちにいてもたってもいられなくなって、応援もそこそこに外に走りに行きました。東京でしたが、真っ青できれいな空のなか富士山がくっきりと見え、すごく得した気になりました。これも箱根駅伝のおかげ。スポーツイベントにはこんな効果も。 今回の年末年始は国内にとどまり往復2300kmくらいのドライブ旅行をしてきました。年越し花火は小さな町で泊まったモーテルのテレビで見ましたが、迫力と臨場感に欠け、スポーツイベントと同じく花火は生で見たほうがいいと実感しました。  それでは皆様、今年もどうぞよろしくお願いします。 

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2008年12月05日

聖火リレーの運営

前回の「聖火リレーは国内のみ(バンクーバー)」という記事に関連して、聖火リレーがどのように運営されているのか、ご紹介します。  聖火リレーのコースは誰がどうやって決めているのでしょうか。 答えは、開催国の組織委員会が独自のテーマに基づいてリレーの計画をたて、それをIOCが了承する形となっているようです。 開催国の組織委員会がマネジメントするのは聖火がアテネを出てから。オリンピック生誕の地オリンピアでの採火儀式および、近代オリンピック最初の会場となったアテネのスタジアムまでの聖火リレーは、ギリシャのオリンピック委員会がマネジメントをおこなっています。(冬季大会の最初の頃は、オリンピアではなくスキーの発祥地からスタートしていましたが、現在は夏季・冬季大会ともオリンピアからスタートしています)  2004年のアテネ大会では、アテネ組織委員会の提案で初の五大陸リレーがおこなわれました。オリンピックが生誕地に戻ってきたことを記念し、聖火リレーは過去の夏季大会の開催都市全てと次回開催地の北京にも訪れました。 これが初めてのグローバルな聖火リレーとなりましたが、以前にも開催国以外の地域を経由した大会はいくつかあります。例えば、大戦後の復興となった1948年ロンドン大会では、平和の祭典を復活させたクーベルタン男爵が眠るスイス・ローザンヌを訪れていますし、1964年東京大会ではアジア各地を経由しています。当時、東京はアジア初のオリンピック開催地だったので、アジア各地を訪れる意義もあったと思います。  聖火リレーは、1936年ベルリン大会組織委員会からの提案で始まりました。古代オリンピックに聖火リレーはありませんでしたが、オリンピック開催を知らせる伝令使たちがギリシャ各都市に赴いて開催日を知らせ、開催の1ヶ月前から会期終了までは争いをやめてオリンピアに観戦に来るよう呼びかけていました。オリンピックが平和の祭典といわれる所以(ゆえん)がここにあります。  この伝令使の役割を聖火リレーは担ってきたと思いますが、今はメディアが世界中に映像やメッセージを伝えてくれるので、伝令使となって各国を訪れる必要はなく(十分な予算と意義があれば検討してもいいかもしれませんが)、むしろ何を伝えるかのほうが大事ではないかと思います。  メインイベントはあくまでも競技、オリンピックの目的はスポーツを通じた人間形成や平和な社会づくりであることを念頭に計画をたて予算配分をおこなうことが重要かもしれません。

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